ティラミスヒーローのような酷似はなぜ起きるのか。
2019年、日本に誕生したティラミスブランド「HERO’S」が、
2012年に誕生したシンガポール発の「ティラミスヒーロー」に似ていることでザワザワし、
「ティラミスヒーロー」は「ティラミススター」に名称を変えてしまったという事で、
さらにザワついているようです。
偶然なのか意図的なのか、真偽のほどはわかりませんが、
ここでは、「たまたま偶然」ということにしておきましょう。
詳しくは、いろいろニュースを検索してみてください。(追記「HERO’S」側は謝罪したようですね。2019.1.22)
さて、信じられないかもしれませんが、
このようなことは本当によくあります。
私自身がデザインしてきたものも、「ひえ~~!」と、声が出るほど
似ているものを作られています。
たまたまなのか、パクっているのかは、証拠がないからわかりません。
ですが一目瞭然「やっちゃってる」ものも多いと思います。
どうしてこのような事態が起こるのかを解説していきましょう。
これは、ブランドデザインの「発注者」と、「デザイナー」との
やりとりから生まれます。
もちろん、間に代理店や、企画会社や、ディレクターが入っている場合も多いですが、
単純化するために「発注者」と「デザイナー」とします。
【発注者】
「デザインして欲しいんですけど、
このサンプルみたいな感じでお願いします♪
最近、このブランド、流行ってるんすよ~」
【デザイナー】
「いや・・・これっぽくするって、ちょっと・・・パクリになる可能性もあるし・・・」
【発注者】
ちょーっと変えれば大丈夫ですって。テヘペロ♪
【デザイナー】
「ところで、御社のブランドの強みとかあったら
聞かせてもらってもいいですか?」
【発注者】
「あ、なんか面倒くさいっすね♪
お互いにメリットないっぽいんで
他のデザイナーに頼みますね♪」
↑もう、ほんと、こんな感じ。
ちなみにうちには今、このような依頼は、ほぼ来ません。
ですが「他に頼む」とか言われたら、しぶしぶ受けちゃうデザイナーもいることでしょうね。
みなさん、
件のニュースを読んで「とんでも無い!」と思ったでしょう。
ですが実際に発注者の立場になると、どう頼んでいいのかわからないために
既存のうまくいっているブランドのデザインをとりあえず集めるわけです。
で、それらを眺めていたら、なんだかそのデザインが「良いデザイン」に思えてきちゃう。
だから、「これっぽいの作って♪」という頼み方になるんです。
デザイナーなりに解釈を加えたり、「見本」を参考にガツンとアレンジすれば
オリジナルのものはできるんだけど、
そういう頼み方の案件に限って時間もお金もなかったりして、
デザイナー側も労力をかけられないから
「これっぽいの」に近いものになりやすい。
・・・・そんな状況が目に浮かびますね・・・。
SNSで私が繋がっている方に、このようなニュースにすぐ噛み付く人がいます。
「パクるなんて日本の恥だ!」
「盗人、猛々しいって、このことか~!」
と、強く批判するわけです。
その人からある日連絡が来ました。
「デザイン会社にチラシデザインを発注したが、できが悪いから、ちょっとみてくれ」と。
ひとつ質問をしてみました。
「なんて言って頼んだの?」
「他社のチラシを見せて、このチラシのような感じで、と。」
だーかーらー!
それが「パクリ」のはじまりでしょうに!
「パクリデザイン問題」で世の中が騒いだら一緒に批判。
だけど実際にはご自分も似たようなことをしているわけです。
デザインというのは、他のデザインを参考にしても
良いものにはなりません。
しっかり、そのブランド(や商品)を見つめて見つめて
考えて考えれば、自然と形は現れてくるんです。
本家「ティラミスヒーロー」も、そうだったんでしょうね。
だから真似したくなるほど魅力的になり、成功した。
「ティラミスヒーロー」が「ティラミススター」に改名してからも素敵ですよ。
「新しくしたよ♪」「これからもよろしく♪」のようなノリでとても好感持てます。
他のブランドと混同しないよう気をつけながら「ティラミススター」の商品を入手してみたい♪ と、思わせてくれますね。
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